岡山市の高額介護サービス費とは?自己負担の上限・対象外費用・申請方法

岡山市の高額介護サービス費の上限と申請。申請書を受け渡す手元のイラスト 老人ホームの費用

高額介護サービス費は、同じ月に利用した介護サービスの自己負担額が、所得などに応じた上限を超えたとき、超えた分が申請により払い戻される制度です。

岡山市でも利用できます。ただし、老人ホームの請求額すべてが対象になるわけではありません。食費・居住費・日用品代などは、介護サービス費とは分けて考える必要があります。

この記事では、自己負担の上限、対象外の費用、1人・夫婦の計算例、岡山市での申請方法を整理します。

情報確認日:2026年10月5日。上限額は2026年8月以降の基準で説明しています。本人の所得区分や世帯の状況による判定は、岡山市介護保険課に確認してください。

高額介護サービス費で払い戻されるのはどの費用?

介護保険サービスを利用すると、原則として費用の1割・2割・3割を自己負担します。この対象となる自己負担を、サービスを利用した月ごとに合計して上限額と比べます。

同じ月に複数の事業所を利用した場合も、対象となる自己負担は合算します。また、同じ世帯で夫婦など複数の人が利用している場合は、世帯での合計も確認します。

在宅で利用する介護サービスだけでなく、施設で利用する介護保険サービスの自己負担も対象になります。

支払った費用計算に含める?
対象となる介護保険サービスの1〜3割の自己負担含める
食費・居住費・家賃など含めない
日用品代・理美容代などの日常生活費含めない
介護保険の支給限度額を超えて、全額自己負担したサービス費含めない
福祉用具購入費・住宅改修費の自己負担含めない
介護保険外の有料サービス・入居一時金など含めない

福祉用具は、購入とレンタルで扱いが異なります。介護保険による福祉用具貸与の対象となる自己負担は合算できますが、福祉用具購入費の自己負担は対象外です。

制度共通の対象外費用は、板橋区「高額介護(予防)サービス費」、焼津市「介護サービスの利用者負担の軽減制度」で確認しています。他市の申請窓口や支給日を、岡山市の手続きとして案内するものではありません。確認日:2026年10月5日。

「上限44,400円なら、老人ホーム代も44,400円で済む」という意味ではありません。
対象となる介護サービスの自己負担に上限があり、食費・居住費などは別に必要です。

老人ホームの費用全体の見方は、岡山市の老人ホームの費用で詳しく説明しています。

所得区分別の自己負担上限

上限には、同じ世帯の利用者の負担を合計する「世帯上限」と、本人の負担に適用する「個人上限」があります。

ここでいう世帯は、原則として住民票上の世帯です。夫婦でも別世帯の場合などは、合算できるかを確認してください。

市民税が課税されている世帯

同じ世帯にいる65歳以上の人の課税所得などに応じて、次の上限が適用されます。複数の所得区分に該当する人がいる場合は、高い区分の扱いを確認します。

所得区分月の世帯上限
課税所得690万円以上140,100円
課税所得380万円以上・690万円未満93,000円
課税所得380万円未満44,400円

「課税所得」は、給与や年金の収入額そのものではありません。収入から必要な控除などを差し引いた金額で判定するため、年金の振込額だけで区分を決めないようにしましょう。

40〜64歳の利用者がいる場合など、年齢や世帯構成によって確認が必要なケースもあります。本人に適用される上限は、市に確認すると確実です。

世帯全員が市民税非課税の場合

本人の状況月の上限
下記の個人上限の対象にならない人世帯24,600円
課税年金収入額とその他の合計所得金額の合計が826,500円以下の人個人15,000円
世帯24,600円
老齢福祉年金を受給している人個人15,000円
世帯24,600円

2026年8月から、個人上限15,000円の判定に使う金額は、809,000円から826,500円に変わっています。

本人が非課税でも、同じ世帯に市民税が課税されている人がいれば、非課税世帯の区分にはなりません。

なお、生活保護を受給している人について、岡山市は個人上限15,000円と案内しています。実際の支払いや給付の扱いは、担当窓口に確認してください。

出典:岡山市「高額介護サービス費の支給について」、厚生労働省「サービスにかかる利用料」。2026年8月以降の基準。確認日:2026年10月5日。

1人・夫婦で利用する場合の計算例

以下は、制度の考え方を説明するための仮定の例です。他の負担軽減や給付制限がないものとし、実際の施設料金・支給額を示すものではありません。

1人で利用し、世帯上限が44,400円の場合

ある月に、対象となる介護サービスの自己負担が50,000円、対象外の食費・居住費などが100,000円かかったとします。

計算する項目金額
対象となる介護サービスの自己負担50,000円
高額介護サービス費の上限44,400円
払い戻し額の例5,600円
対象外の食費・居住費など100,000円
払い戻し後に残る支払総額144,400円

払い戻し額は、50,000円−44,400円=5,600円です。食費・居住費など100,000円は、この制度では払い戻されません。

同じ世帯の夫婦が利用する場合

夫婦が同じ月に利用し、世帯上限が44,400円の場合を考えます。

対象となる自己負担金額
父の自己負担30,000円
母の自己負担25,000円
世帯の合計55,000円
世帯全体の払い戻し額の例10,600円

それぞれの負担は44,400円以下ですが、合計すると上限を超えるため、55,000円−44,400円=10,600円が世帯全体の払い戻し額になります。

夫婦それぞれへの支給額は、対象となる自己負担額などに応じて計算されます。食費・居住費などは、この合計に入れません。

非課税世帯で、個人上限15,000円が適用される場合

利用者が1人で、対象となる自己負担が20,000円なら、個人上限15,000円との差額5,000円が払い戻し額の例になります。

夫婦とも個人上限15,000円の対象で、それぞれ20,000円ずつ利用した場合は、世帯上限24,600円も適用されます。この例では、合計40,000円−24,600円=15,400円が世帯全体の払い戻し額になります。

夫婦で15,000円ずつ、合計30,000円を負担するとは限りません。個人と世帯の両方の上限を確認しましょう。

岡山市で申請する手順

まず、介護保険被保険者証に記載された保険者を確認します。岡山市が保険者の場合は、岡山市の窓口または郵送で申請できます。

高額介護サービス費の申請準備を表す通帳・書類・封筒のイラスト
  1. 請求書・領収書を利用者別、サービスの利用月別に整理する。
  2. 介護サービスの自己負担と、食費・居住費などの対象外費用を分ける。
  3. 自分の世帯の上限額と、初回申請が済んでいるかを確認する。
  4. 必要な情報・書類を準備し、窓口または郵送で申請する。
  5. 支給の案内や入金を確認し、請求書などと一緒に保管する。

請求書は「支払った月」だけでまとめず、「何月に利用したサービスか」も分かるようにしておくと、相談が進めやすくなります。

窓口で申請する場合

本人が申請する場合は、家族などが代筆するケースも含め、岡山市は次の持ち物を案内しています。

  • 本人名義の振込口座番号が分かるもの(通帳など)
  • 窓口に行く人の本人確認書類(運転免許証など)
  • 市からの勧奨通知ハガキ(持っている場合)

申請用紙は窓口にあります。勧奨通知ハガキがない場合や、紛失した場合でも、ハガキは不要と案内されています。

申請書には被保険者番号や個人番号などの記入欄があります。記入に必要な情報を確認できるようにしておき、不明な欄は窓口で相談してください。

受付窓口は、次のとおりです。

  • 各福祉事務所の介護サービス係
  • 御津・建部・瀬戸・灘崎支所の総務民生課
  • 各区役所の市民保険年金課
  • 各地域センター
  • 岡山市介護保険課

出かける前に、岡山市「窓口で申請する場合」で必要書類を確認しましょう。相続人や成年後見人などが申請する場合は、追加書類が必要です。

郵送で申請する場合

岡山市「郵送で申請する場合」から申請書と記入例を確認し、必要事項を記入して送付します。

印刷できない場合は、介護保険課に連絡すると申請書を郵送してもらえます。

送付先:〒700-8544
岡山市北区大供1丁目1番1号
岡山市介護保険課 宛

市の案内では、2026年9月の新庁舎への移転後も、この郵送先は変わらないとされています。

子どもの口座で受け取りたい場合

本人が申請し、本人以外の口座へ振り込んでもらう場合は、委任状が必要です。家族だから自動的に受取口座を変更できるわけではありません。

岡山市は、委任状の被保険者欄について、本人が自署する場合を除いて押印が必要と案内しています。本人が署名できない場合などは、提出前に相談してください。

本人が亡くなった後に相続人が申請する場合は、相続人であることが分かる書類などが必要です。通常の本人申請とは必要書類が異なります。

申請方法・持ち物・送付先の出典:岡山市の窓口申請・郵送申請の公式案内。確認日:2026年10月5日。

申請後に確認しておきたいこと

一度申請した後は、毎回の申請が不要

岡山市の申請書には、今回の支給以降、高額介護サービス費などが支給される場合は、申請手続きが不要になると記載されています。

ただし、振込口座を変更したい場合などは手続きが必要です。「申請済みか分からない」「登録した口座を確認したい」という場合も、市に問い合わせましょう。

出典:岡山市「高額介護(予防)サービス費・高額総合事業サービス費支給申請書」(PDF)。確認日:2026年10月5日。

払い戻し前の支払いも見込んでおく

この制度は、サービス利用後に支給される仕組みです。施設からの請求が、最初から上限額までになるとは限りません。

老人ホームの予算を立てるときは、払い戻し後の負担だけでなく、入金までに必要な支払額も確認してください。岡山市の具体的な支給予定日は、申請時に問い合わせましょう。

過去の分は、申請できる期間を確認する

高額介護サービス費には、原則2年の時効があります。一般的にはサービス利用月の翌月1日から数えますが、翌月以降に自己負担を支払った場合は、支払日の翌日が起算日になります。

過去の分を申請したい場合は、利用月と支払日が分かる書類を用意し、岡山市に申請できる期間を確認してください。通知が届いた場合も、後回しにせず手続きを進めましょう。

時効の一般的な扱いの参考:焼津市「介護サービスの利用者負担の軽減制度」。岡山市での個別の期限は、岡山市介護保険課に確認してください。

また、介護保険料の滞納による給付制限を受けている場合などは、支給を受けられないことがあります。該当する場合は、上限額だけで判断せず担当窓口に相談してください。

食費・居住費や医療費が重いときは、別の制度も確認

高額介護サービス費で対象にならない費用でも、別の負担軽減制度を利用できる場合があります。

負担が気になる費用確認する制度
対象となる介護サービスの月ごとの自己負担高額介護サービス費
特養・老健・介護医療院などの食費・居住費負担限度額認定
医療と介護の両方の自己負担高額医療・高額介護合算制度

負担限度額認定は、対象施設や所得・預貯金などの条件がある別制度です。有料老人ホームの食費・家賃にも一律に適用されるものではありません。

医療と介護の合算制度は、それぞれの月の上限を適用した後、原則として8月から翌年7月までの負担を確認します。医療保険の加入先などによって手続きが異なるため、別途確認が必要です。

詳しい条件は、岡山市の負担限度額認定の案内と、介護保険制度の概要・2026年度版パンフレットで確認できます。

施設選びから費用を見直したい場合は、費用を抑えやすい老人ホームの探し方、岡山市の特養の探し方も参考にしてください。

岡山市に相談する前のチェックリスト

  • 介護保険の保険者が岡山市か確認した。
  • 本人と、同じ世帯の介護サービス利用者を確認した。
  • 請求書・領収書を、サービス利用月ごとに整理した。
  • 介護サービスの自己負担と、食費・居住費などを分けた。
  • 初回申請の有無と、振込先にしたい口座を確認した。
  • 過去の分は、サービス利用月と支払日が分かるようにした。

電話では、「親の高額介護サービス費について、適用される上限額と申請済みかを確認したいです」と伝えると、相談の目的が分かりやすくなります。

岡山市介護保険課 資格給付係
電話:086-803-1241

まずは請求書の中で、介護サービスの自己負担がいくらかを確認しましょう。支払総額だけで判断せず、世帯の上限額と申請状況を確認すると、利用できる制度を整理しやすくなります。

出典・参考資料

情報確認日:2026年10月5日。制度や手続きは変更される場合があります。個別の所得区分、支給額、申請期限は保険者に確認してください。

タイトルとURLをコピーしました